~大田原商工会議所会頭 玉木茂~
新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
昨年は日本銀行の金融緩和政策の堅持などにより外国為替は円安で推移し、中国などの景気の減速はあったものの、多くの大企業は順調な業績を辿り、賃金の上昇にも繋がってきております。しかしながら、中小・小規模事業者は、一昨年四月の消費増税による消費マインドの冷え込みが予想以上に大きく、ほとんどの業種において生産や販売が足踏み状態となり、一年を通じて厳しい環境を強いられました。
本年大田原商工会議所は、改正小規模基本法の趣旨であります会員に寄り添う「伴走型支援」を更に徹底し、国・県・市・各種支援機関と連携を図りながら、国の補助制度の活用等の経営支援に努めてまいります。 特に中小・小規模事業者の持続的発展のために、事業承継の際の後継者問題や相続税等については、事業引継ぎセンターと連携し相談に応じてまいります。さらには創業の支援、経営分析や経営計画策定の支援、販路開拓の支援、農商工連携による新商品の開発・提案、マイナンバー制度相談窓口の設置など経営全般にわたるサポートをしてまいります。
また中心市街地の活性化につきましては、中央通りの電線地中化も平成28年度末で完成予定であり、ハード事業は一段落となります。今後はミニ区画整理事業等を実施して民間活力を導入して商店街の連たん性と街なか居住の促進を図ると共に、一店逸品運動や各種ソフト事業を企画し、賑わいの創出を図ってまいります。
昨年、国の「まち・ひと・しごと創生法」の成立を受け、大田原市においても「大田原市人口ビジョン」並びに「大田原市未来創造戦略」の策定がなされました。これからの高齢化と人口減少にどう対応すべきか、中長期的展望に立った重要戦略であります。商工会議所といたしましても、商工業分野に止まらず市と連携協力をしてまいります。
2016年の干支は、丙申(ひのえさる)であります。丙申(ひのえさる)は60年周期で廻ってきますが、60年前、昭和31年は日本の高度成長の始まりである神武景気の最中であり、この好景気によって日本経済が回復し、昭和31年の経済白書には「もはや戦後ではない」と記されました。丙申は「形がはっきりする。実が固まっていく。」と言われ、地道な努力が形になっていく年であります。
本年が皆様にとりまして幸多い年になりますことをご祈念申し上げ、ご挨拶といたします。